【2018年11月13日】ウォラトン・ホールへ/舞台「英国万歳!」観劇【ノッティンガム】
[Tuesday]
無事ノッティンガムに到着し、一泊した次の日。
劇場に行くまでに時間があるので、バスに乗って観光しに行くことに。
12:45
ロンドンだと地下鉄やバスに乗るときにオイスターカードを使っていますが、もちろんロンドンだけなのでノッティンガムでは使えません。
ではノッティンガムではどうやってバスに乗っていたかというと、スマホ用アプリです。
https://www.nctx.co.uk/mobile-tickets
"NCTX Buses" というアプリをDLして、1日券を購入するとQRコードが発行されるので、バスの乗車口のリーダーにかざせばOK! ロンドンより便利かも。
もちろん現金でもコンタクトレスカードでも乗車できるし、ロンドンのトラベルカードに当たるロビンフッドカードという定期券もあります。
そんなわけで、便利なアプリでバスに乗って、目的地であるエリザベス朝時代の邸宅ウォラトンホールを目指します。
13:05
ウォラトンホールのあるウォラトン公園前のバス停に到着。
公園の入口が重厚な門と塀で守られています。というのも、この公園にはアカシカとダマジカが生息していて、彼らが逃げ出して事故に遭ったりするのを防いでいるようです。
塀に囲まれているため、外見ではわかりにくいですが、重い扉を開いて門をくぐると広大な敷地が広がっています。
ロンドンに比べたら人も少ないし、とても静かで心が安らぎます。
公園内のウォラトンホールの中には、ノッティンガム自然史博物館と産業博物館があるのです。
が、残念ながらこの日、産業博物館はお休み。
幸い、本館にある自然史博物館の方は開いていたので、入館することが出来ました。
13:30
立派なウォラトンホールの外観。
もしかしたら映画好きの方はこの外観を見て「ここ見たことある!」と思うかも。
そう! クリストファー・ノーラン監督のバットマン・シリーズでウェイン邸として使用されているのです!
その見た目の美しさも素晴らしいですが、見ごたえがあるのは実はその内部の自然史博物館だったりします。
1926年にオープンしたこの博物館は現在ノッティンガム市議会が所有していて、地質学、植物学などに関するおよそ4億5千万点もの標本を所蔵しているらしい。
でも特に圧倒されるのは動物の剥製の所蔵量!
鳥類の標本もケースの中にたくさん展示されていますが、やはり雄々しい"トロフィー"の数々は迫力があります。
とはいえ、鹿やバイソンなんかは立派なお屋敷に一つや二つあるイメージ。
ここにある剥製で一番迫力があったのは…
キリンの剥製!家の中に!
動物園でキリンを見たことはもちろんありますが、こんな真下から、邸宅とは言っても部屋の中で見ると、半端ない迫力です。
よくこの部屋に運び入れたな… どうやって入れたんだ?と謎が膨らむ。
キリンの剥製の横にはアフリカゾウの象牙が並んでます。「現在は象牙の取引は禁止されています」と注意書きが掲示されていたと記憶しています。
14:30
自然史博物館を見た後は、ゆっくり歩きながら、公園の中の湖を眺めました。
風のさざめきと鳥の鳴き声しか聞こえない静かな湖畔。ベンチはちょっと汚かったので、じっと水面を見つめて佇む私。
15:15
陽が低くなってきたので、行きと同じバスに乗って、ノッティンガム中心地へ戻ります。
15:40
前日には時間が遅くて入れなかった、中心部の建物の中を探索。
ノッティンガムはそんなに大きな街ではありませんが、お店はロンドンとそんなに変わりません。
15:45
まだ日があるから、昨夜歩いた広場の様子がよく分かる。
クリスマス・マーケットはまだまだ準備中ですね。
夕方になると、だんだん観劇の時間が近づいてドキドキしてきます。
慣れない場所に来てるせいもあるけど、緊張して気持ち悪い。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月13日
16:35
観念して劇場のノッティンガム・プレイハウスに向かうことに。
仕方ないから行くかぁ😖
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月13日
19:00
ついに前日に下見した劇場の中へ。ボックスオフィスでチケットを受け取ります。
#madnessofgeorgeIII pic.twitter.com/B0onzYO5Pe
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月13日
ノッティンガム・プレイハウスは外見もモダンですが、劇場内も広くて綺麗です。
キャパは770席。水曜日にも見る予定でどちらも1階席。
上演作品「英国万歳!」は、1991年に上演されたアラン・ベネット作のコメディで、晩年に狂気に陥った国王ジョージ3世(演:マーク・ゲイティス)が挑む荒療治と、野党の政治家と結託して虎視眈々と国王の座を狙う皇太子のウェールズ公の様子を描いています。
公演についての詳細は、情報をまとめているので以下をご覧ください。
↓↓↓ 公演・キャスト発表からNT Live上映までの情報
↓↓↓ 日本でのNT Live上映以降の情報。相関図や舞台の背景についても。
以下は、私が観劇した時の感想ツイートです。
劇場から宿泊先へ帰って来ました。今思っていることを素直に書くとする。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月13日
"The Madness of George III"とても刺激的な舞台でした。もちろん映画の「英国万歳!」は見てたけど、ジョージ3世が正気を失っていく段階が思った以上に繊細に演じ分けされていて、1幕の後半は客席にも緊張感が走った。
マークによる狂気の演技の確かさは真に迫るものがあって、本当に胸がドキドキ止まらなくなる程だった。ぱっと見わかりにくい脇役たち、特に医者連中はこの舞台では女性が配役されているけど、性別関係なく個性が出てて楽しかった。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月13日
マークの痙攣してうまく話せなくなってしまう演技は本当にリアルで胸が痛くなるほどだったのですが、彼は子供の頃、精神病院のはす向かいで育ち、その病院の中で髪を切ったり映画を見たりするほど慣れ親しんだ場所だったそうで、そこで見た患者の様子を今回の舞台の症状に生かしたと語っています。本当は自分の仕事にその精神病院のことを関連付けて語るのは好きじゃないみたいですけどね。
22:00
上演後。
上演後のカーテンコールでマークが拍手を止めて「この後戻ってきてトークをします!」と言い始めてびっくりした。そんな予定あったっけ??そして、演出家のアダム・ペンフォードも含めてキャスト全員が舞台に登場し客席からのQ&Aに答えてくれた。バーから運び込まれたお酒をみんなで見繕ってたよw
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月13日
この日、告知はされてなかったはずなのですが、幸運にも出演者総出のアフタートークを見ることが出来ました!
芝居自体がコメディとは言っても緊張感がある作品なので、私服でゆったりお酒を飲みながら語り合う演者を見てホッとしちゃう。
Q&Aの内容は後でまとめようと思うけど、印象的だったのはアダムがアラン・ベネットに上演を持ちかけた時「(上演していいかは)出演者による」と言われたらしい。アラン・ベネットはTLoGが好きだから満足だったのかもね。それとジョージ4世の描写はチャールズ皇太子を意識してるかもね?という話も。 https://t.co/zrn1PhQS0e
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月13日
ちなみに、マークは「TABOO」というトム・ハーディ主演のドラマでジョージ4世(当時摂政皇太子)も演じています。
うろ覚えだけど、この芝居の喜劇とも悲劇とも言える内容について問われた時に、マークは、「これはコメディ、これはシリアス」と分ける必要なんてない、人生は悲しみと可笑しみと両方入り混じったものなんだから、と言ってました。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月13日
男性の役を女性に割り振っている、その割り振り方についてアダムが特に性別にこだわりなかったと話していた時にマークが予告にもなっている台詞を「アイムザクイーンオブイングランド!」と言いかえて笑わせていました。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月14日
Q&Aでは観客が積極的に質問していたんですが、ほとんどの質問者が劇場に対する愛着と作品を企画する劇場に対しての感謝を伝えていて、地元の人に愛されている劇場なんだなとよくわかりました。
22:50
トーク終了後は例によって、楽屋口に向かいました。
それで相変わらず出待ちもしたんだけど…すごく迷ったんですよ。お疲れだろうからサインだけもらってサクッと帰ろうとか、やっぱりあれを言おうかこれを言おうか、相変わらず迷って、結局その時になったらまた頭真っ白になって挙動不審な人になってた。自分が嫌い…(涙)。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月14日
マークの舞台を見に行った時には必ず楽屋口に行って差し入れなり、感想なり伝えるようにしているのですが、かなりハードな演技とQ&Aの後に出待ちするのは気分がよくないんじゃないかとかなりナーバスになってました。
相変わらず英語にも自信がなく…
箱のようなものを手に持ってたから「それなんですか?」って聞いたら「旅行用のイーゼルだよ」って言ってた。旅先にイーゼル持ってきてるんだ!? それで「私好きです、あなたの…」「絵が好きなんでしょ!?」って先回りして言われて、(そうなんです…)って頭の中で呟いてた。情けない。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月14日
留学2ヶ月でこれですよ!?本当情けない。ていうか語学関係ない。コミュニケーション能力の問題だから。わかってる、人と話すのが苦手なんだもの。好感の得られるしゃべりをしようと努力するほどおかしくなる。仕方ない(泣)。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月14日
本当に、毎回毎回ステージドアは緊張しておかしな言動になるので、どうにかしたいんですけど、しばらく経った今振り返ると「自信のない態度は無駄!」だって思いますね。多分、「緊張していたから仕方ない」と言い訳する材料にしてるんじゃないかな?と自分でも思います。相手だって普通の態度で挨拶された方が気持ちいいに決まってますからね。今はそれが自覚出来ているので、今後はまともな言動で話しかけられると思います。多分。おそらく。
デボラ・ジレットさんにもサインを頂いて「"Three Days in the Country"も好きでした」って言ったら「本当?!あれはよかったわよね。私たちとうとう結婚したのよ!」って言ってて「私も嬉しいです」って一緒に笑えたのが嬉しかった。(←デボラさんはマーク扮する先生のプロポーズを断る役だった。)
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月14日
ナショナル・シアターで2015年に上演された"Three Days in the Country"はマークがオリヴィエ賞助演男優賞を受賞した舞台で、私にとってもとても思い出に残る作品です。劇中、デボラさんは医者役のマークから求婚されていたので、今回王妃役になって「今回やっと結婚した」というわけです。当時はお話出来なかったデボラさんと会話出来て光栄でした。
Official Clip | Mr & Mrs King - People of Fashion | The Madness of George III - Nottingham Playhouse