ミウモのロンドン留学体験記

2018年9月からUK渡航。チャレンジに遅すぎるなんてことはない!がモットーの女30代による留学準備&体験記

【2018年11月16日】ジュエリー・クオーター博物館とペン・ミュージアム【バーミンガム】

[Friday] 

 シーツの臭いに困惑しながらも、疲れが勝って寝落ちた次の朝早く。

ロンドンのステイ先近辺も決して治安がいい場所ではありませんでしたが、朝予定より早くに目覚めてしまうほど外の人が騒いでいるようなことはさすがにないので、昨日のことに続いて、もうこの場所を選んでしまった私が悪いのだと思うことにしました…。

疲労感で探し物もなかなか見つからない始末。

 (結局イヤホンは後から見つかりました。)

ネットをチェックすると先日見た「英国万歳!」の映画館中継まであと4日のお知らせが。

ノッティンガムで芝居を見たのが遠い昔のようにも思えます。 

 

さて、この日は1日バーミンガム観光です。

12:30

まず、電車で街の北西にあるジュエリー・クオーターへ。

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ジュエリー・クオーターというこの土地一帯は、宝飾品の製造をする工場が集まっており、その中の一つだったスミス&ペッパー社の作業場が現在ジュエリー・クオーター博物館としてその歴史を紹介する場所として残されています。

www.birminghammuseums.org.uk

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個人的に、ロンドンのマーケットで銀製品を買ったり、以前ロンドンで骨董品を集めるテレビ特番を見たりして、どんなところで製品が作られているのか裏側が気になっていたので興味津々。

入場料金は£7。館内では案内ツアーもあって、チケット売り場で何時に集合すればいいのか教えてくれます。

それまでは、まずギャラリーを見物。

バーミンガムでは、18世紀末に銀の売買が流行し、「トイ」と呼ばれるバックルやボタンや小さな金属製品の製造が盛んに。

その頃、バーミンガム北西の土地を所有していた富豪のコルモア家は土地を売り払い、金属産業に関わる人たちがここに居住するようになりました。

バーミンガムには鉱石分析所がなかったため、純度検証印(ホールマーク)をもらうためにチェスターまで銀を送ることになり、その間に盗難にあったり傷がついたりと、リスクが大きかったそう。

そこで、実業家で家業のトイ製造を継いでいたマシュー・ボールトンをはじめとした銀細工師の運動により1773年にバーミンガムの鉱石分析所が設立され、バーミンガムの産業を後押しすることになったそう。

(ちなみに後から知ったのですが、マシュー・ボールトンがエドワード・オーガスタス公に献上した剣を気に入って自分用に発注したというのが当時のウエールズ公、のちのジョージ3世だったそうです!)

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純度検証印については前述の骨董品の番組で解説されたのを見たことがあって、それからは、マーケットで見かける銀製品の裏側をよく見て、どのホールマークが押されているか見るようになりました。じっくり見ていると、お店の売り子の人がいつ頃のものか詳しく教えてくれたりしますよ。

13:00頃?

館内ツアーの集合時間になったので、集合場所である家族の集合写真のようなパネルの前で待機。他の入場客も数人一緒になりました。

Smith & Pepperはスミス氏と叔父のペッパー氏が創立した会社で、スミス氏の家族を中心とした会社だったそうです。ツアーでは社員の関係性まで詳しく教えてくれます。

1981年に会社を閉鎖した時に、建物を壊すでもなく、文字どおり扉を閉めただけだったために、当時の仕事・生活ぶりをそのまま知ることが出来ます。

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会社の事務所。書類の束も当時のまま
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放置してある電気ストーブとトースターに生活感を感じる

工場と事務所は別棟。事業の拡大で別の建物に事務所を作って、工場と繋げた、と記憶しています。工場にも、当時のままの作業台や機械類が残されていました。

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小さなチャームに使われるような型が棚の中に所狭しと並べられています。

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ガイドの女性が、実際にどうやって鉄の板を細工していたか、作業を実演。

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後ろ姿なので手元が見えないですが…
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木の出っ張りのところで金属片を支える

自分たちでも実際に板をパンチする作業を体験出来ます。

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左の画像奥の黒いプレス機を使って犬の形にくり抜きました!

ツアーでガイドさんが作業工程を見せてくれるので、それぞれの機械は今でも使われていると言えますが、事務所も作業場も全て当時使われていたものが無造作においてあるので、タイムスリップというか、タイムカプセルの中に飛び込んだような気分です。

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博物館にはショップもあるので、よくあるロゴがプリントされた文房具だけでなく、ジュエリー・クオーターで作られた宝飾品も買うことが出来ます。私は高価で買えませんでしたが、とっておきのお土産にするのもいいかもしれませんね。

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日本人の職人さんの作品が飾られていました

博物館を出て南に歩いていくと、やはり宝飾店があちらこちらに目立ちました。

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ケーキ屋さんの名前は「ケーキ・クオーター」

14:50 

ジュエリー・クオーター博物館の後は、ペン・ミュージアムに足を運びました。
その名の通り、ペンの博物館です。

penmuseum.org.uk

こちらの入場料は£5。特に館内ツアーはありませんが、担当者に余裕がある時は展示の解説をしてくれるっぽかったです。私の他に中国人の学生グループが見に来ていましたが、彼らは色々解説を聞いていたようです。

私はマイペースに展示を鑑賞。

現在ではペンの大部分はプラスチックですが、万年筆やボールペンが登場するまでは鉄製のペン先(pen nibs)を使っていたわけで、ジュエリーと同様、19世紀には100社あまりの会社がバーミンガムでペン先を製造していたそうです。

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魚の鱗のように美しく飾られたウィリアム・ミッチェル製のペン先

兄のジョン・ミッチェルがバーミンガムのペン製造のパイオニアだった

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1862年のロンドン万博に展示されたというJoseph Gillott & Sons Ltd.製のペン先
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Hinks, Wells and Co製のペン先

こうやってペン先だけ見ていると、一つ一つがとても個性的で芸術的な作品なんだとわかります。

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人の顔や拳を模っているものも!

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「自由自在ニヨクカケル日英ペン」

ジュエリー・クオーター博物館にあったものと似ているペン先用のプレス機もありました。

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ジュエリー・クオーター博物館でじっくりツアーを見たので、こちらは割と流して見て回る感じになりました。集中力切れ?

次回に続く…

(2021-01-15 12:40投稿)