【2019年1月5日】ブレナム宮殿 "Cinderella's Fairy Tale Palace"イベント【その1】
[Friday]
夜スーパーで買い物する以外は外に出かけず。
めげそうになったりもします。でも、一応生きてます。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2019年1月5日
[Saturday]
木曜に見た映画「女王陛下のお気に入り」の中で、アン女王がモールバラ公ジョン・チャーチルに贈ったブレナム宮殿へ行ってみることに。
ブレナムという名前は、ジョン・チャーチルがスペイン継承戦争でフランス軍に勝利したドイツのブリントハイム(ブレンハイム)での戦いにちなんでいます。
前回の記事で触れたように、ブレナム宮殿は冬季も開館していて、
ロンドンからも遠くないのでこのホリデーのうちに訪れることにしました。
10:52 パディントン発オックスフォード行き。
電車代は手数料込みで£28.15。
当日ギリギリに購入したからちょっと高いかも。
(余裕を持って購入するほど安いチケットが手に入るのだ。)
ひっそりと旅に出る…つもりが電車に乗り遅れそうになって焦った。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2019年1月5日
指定席のはずが知らん人たちが勝手に座ってたので別の離れた車両に座ってる。指定した意味ねえ…。イギリスっぽいいい加減さだ。 pic.twitter.com/ogOsVB4xmL
いつもそうとは限りませんが、この時のグレート・ウェスタン・レールウェイの車両はとても綺麗で、普通なら使いたくない車内トイレも非常に清潔でした!びっくり!
40分後の風景。 pic.twitter.com/xQpG6OINaL
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2019年1月5日
11:50 ほぼ定刻通りオックスフォードに到着。パディントンから1時間。
牛津ってどこだよ!と思ったら、オックスフォードの漢字表記が牛津なのか。ビックリしたー。ロンドンは倫敦表記じゃないのになんでじゃ。 pic.twitter.com/iBspI4xlro
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2019年1月5日
実はオックスフォードも今まで来たことがなかったので、止まってゆっくり見て回りたいところでしたが、それはまた次の機会に。今回はあくまで宮殿を優先します。
オックスフォード駅から宮殿まではバスで移動。ここからまた1時間。
直行バスではないので、1時間ともなると行くと停留所20か所以上止まり、
かなり遠く感じます。辛抱が必要。
12:50 やっと宮殿の門まで到着。
入口、遠っ!! pic.twitter.com/1j6ucJ36bz
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2019年1月5日
外の門から宮殿前の入り口までも歩いて10分かかりました。
チケット売り場で入場券を購入。
寄付申請すれば1年以内の再来場が無料になるパスポートに替えてもらえるらしいのですが、1年以内にまた来れるかわからなかったので、そのままのチケットで先に進みます。すると…
おおー!!見た事あるこの風景!!
そう、実はブレナム宮殿は映画の撮影場所としてもよく使われているのです。
私の好きな作品だと「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」とか…
「007 スペクター」にもスペクターの会合場所として登場!
他の作品はこちら↓をご覧ください。
www.blenheimpalace.com
あー、ボンドがスペクターの会議に忍び込んだのはこのあたりだったかなー、
と外観を楽しみます。
さて、当時宮殿で開催していたイベントは"Cinderella's Fairy Tale Palace"。
シンデレラをテーマにした装飾を楽しみながら室内を見学出来るホリデー・イベントです。
ちなみにウィンストン・チャーチルはマールバラ公の子孫であり(祖父が第7代マールバラ公爵)、ブレナム宮殿は彼の生家なので、チャーチルに関する展示室もありますが、この日は見られず。 1階のみ見ることが出来ました。
荷物検査を済ませて中に入ると、すぐに晩餐会の食卓が!
テーブルの上には正しく並べられた食器だけでなく、イベントにちなんだ装飾が乗っています。
ルートに従って、ページをめくるように、シンデレラの物語をたどっていきます。
通路の途中には、公爵家代々の肖像や所有の小物が飾られています。
そして人生一生分かというくらい贅沢に飾られているクリスマスツリー。
控えの間に入ると、登場人物ごとにテーマが分かれています。
はじめは王子からの舞踏会の招待状をシンデレラの分だけ破ってしまう「意地悪な継母」の部屋。
この部屋に公爵夫人サラ・ジェニングスの肖像がありました。
次の客間のテーマは「義姉」。
2人のお姉さんを思わせる人形が迎えてくれます。
その次の控え室は「シンデレラ」。
招待状もドレスもない可哀想なシンデレラのために、小さいお友達が奮闘しています。
ネズミたちとシンデレラのドレスの後ろには、初代モールバラ公の肖像画が飾られています。
そして大広間へ…。
大広間(グレートホール)に足を踏み入れると、広くて高い天井いっぱいに描かれた壁画に圧倒されます。まるで聖堂のよう!
この壁画はセントポール大聖堂の天井画も手がけたジェームズ・ソーンヒルによって1716年に描かれたもので、テーマはやはりブリントハイムの戦いがモチーフになっているそうです。こういった天井画は欧州の画家が得意なイメージですが、ソーンヒルは英国人で、英国人が英国の建築の天井画に携わるというのが当時大きな意味を持っていたみたいですね。
イベントのことは一時忘れて、すっかり見入ってしまいましたが、シンデレラのストーリーの方も大きな見せ場!
フェアリーゴッドマザーの力で、かぼちゃに魔法が掛けられて馬車に変身!
下の動画のようにモニターに映る魔法使いの魔法が光になってかぼちゃに向かっていく演出。
#Throwback #Video #BlemheimPalace#UnitedKingdom #Cinderella
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠🌈 (@notfspurejam) 2021年6月23日
14:03 05/01/2019 pic.twitter.com/T4h7WQk6FU
シンデレラの世界とは似つかわしくない私もセルフィー撮ったり、他のお客さんに馬車も入れて写真を撮ってもらったりしました。
続いて、次の控えの間は「王子」の部屋。
ちょうど戦場にいる公爵のタペストリーが飾られていて、王子様の書斎のような雰囲気。
部屋の中には王子が書いた招待状が山のように飾られていますが、
その机に、初代マールバラ公が書いた 本物の手書きの手紙も展示されています。
1704年、ブレンハイム(ブレナム)の戦いでフランス軍を後退させたマールバラ公がサラに宛てて「女王に軍の勝利を伝えて欲しい」と書いた書簡が展示されていた。宮殿を与えられたキッカケの戦いだ。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2019年1月6日
でもこの数年後には女王とアンの関係が悪化してしまうんだな。 pic.twitter.com/AyyUaxlsaw
#Throwback #Video #BlemheimPalace#UnitedKingdom #Cinderella
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠🌈 (@notfspurejam) 2021年6月26日
14:08 05/01/2019 pic.twitter.com/PruTyl0m05
「ミッドナイト」の部屋には、時計をモチーフにしたツリーが飾られていました。
最後の広間、グレートギャラリーに入るとすぐにアン女王がいらっしゃいました。
シンデレラの物語もついにクライマックス!
パーティー会場のようにワルツが流れる中、ギャラリーの中心では、ガラスの靴がシンデレラを待ち受けています!
いやー、私は子供の頃に「お姫様になりたい」なんて思わないタイプの女の子でしたが、なんだか本物の宮殿の中に入った途端、シンデレラの世界に迷いこんだみたいで、終始ウットリしてしまいました。
公爵家ともなると、夢のような物語をここまで現実化してしまえるんですねー。いや、ある意味、本物の王子様&お姫様の世界ですもんね。
宮殿の内部を見学することだけでも興味深いですが、さらにシンデレラの世界を重ね合わせてその世界を垣間見れて、心底楽しめました。
今でも思い出すと、英国の冬の中を風邪をひいて辛い中、一時の夢を見たような、シンデレラというよりマッチ売りの少女のような(笑)、暖かい気持ちになれます。
外に一度出て、別棟に入ると、公爵家のチャペルがあります。
ここには初代マールバラ公と公爵夫人のサラを始め、一部の公爵家の家族が埋葬されています。
礼拝堂のデザインは公爵の友人である初代ゴドルフィン伯シドニー・ゴドルフィン(息子が公爵の娘と結婚している)、巨大な墓のデザインは建築家のウィリアム・ケントによるもの。
墓の底部には公爵夫人サラの依頼で、ブレンハイムの戦いで敵対したフランス、ブルボン朝の貴族タラール公カミーユ・ドスタンが降伏する様子が描かれてるとか。
マールバラ公は生前にこの宮殿の完成を見ることはなかったそうだけど、亡骸はサラと一緒に宮殿内の小さな美しい教会に納められている。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2019年1月6日
七夕のように、教会内にみんなのお願い事が飾られてあった。 pic.twitter.com/vzsYajTwju
サラも墓の完成を見ることはなかったそうだけど、その後一時ウエストミンスター寺院に安置されていた初代マールバラ公とともに埋葬されている。
映画「女王陛下のお気に入り」では、サラが宮廷を追われ、マールバラ公も司令官を罷免され、ヨーロッパへ逃れることが示唆されて終わりますが、アン女王亡き後、スペイン継承戦争でともに戦ったジョージ1世から招かれ公爵は将軍へと返り咲き、サラも王室との良好な関係を取り戻しました。
この宮殿が今でも人々の目に触れて生き続けているのは、映画の後の夫婦の復活劇があってこそかもしれませんね。それこそ、チャーチルやダイアナ元妃にまでその血が受け継がれているわけですから、シンデレラの物語どころか、現実の英国の歴史がここに残っていると言っても過言ではないわけです。
ちなみに、私が帰国した後の2020年にチャペルは水漏れが原因で60万ポンドの改修工事が行われたそうです。維持するのも大変だー。
次回は宮殿の周辺を散歩します!
参考: