【2019年1月5日】ブレナム宮殿〜記念碑と静寂の湖と香水と【その2】
ブレナム宮殿、続き。
⬇︎宮殿周辺の地図はこちらから見られます⬇︎
https://www.blenheimpalace.com/assets/files/downloads/uk.pdf
14:50
内部を見終わった後は、まず外のテラスへ向かいます。
このテラスは9代目公爵がフランスの造園家アシル・デュシェーヌの力を借りて1925年から1931年にかけて造られたそうです。
ということは、宮殿が造られた当時は庭はそこまで整備されてなかったってことかー。
プールの水は「ロザムンドの井戸」から取られているそうです。ロザムンドとは、ヘンリー2世の愛人であったロザムンド・クリフォードのこと。
プールの四方はヴィーナス像に囲まれています。
階段を降りて下のローワーテラスに降りると、別のプールがあり、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの工房で作られ、スペイン大使から初代公爵に送られた中心のオベリスクは、ローマのナヴォーナ広場にある「四大河の噴水」を大理石で3分の1に縮小したものだそう。ドナウ川、ナイル川、プラタ川、ガンジス川の神々が装飾されています。
写真では片方ずつしか写っていませんが、左右対称に2つオベリスクがあって、左側のもう1つはやはり9代目公爵の時代に複製されて現在のように設置されたそうです。
左右対称というと、ローワーテラスで特に気になるのは、階段を降りてすぐに目に止まるスフィンクスの像。
このスフィンクスの顔は、9代目公爵の2番目の妻グラディス・ディーコンがモデルになっているとか。
15:10
次は、宮殿からテラスに向かって左側から、サウスローン(南側の芝生) を通って庭を歩くことにしました。
宮殿の地図でいうと、"Formal Gardens"というコースを歩きます。
途中、ひときわ目を引く巨大な木を発見!
15:20
ブレナム宮殿は1950年4月に一般公開するようになったそうなのですが、10代目公爵が、もっと来場客が庭を楽しめるようにと、「プライベート・ガーデン」として庭の手入れを始め、10代目の死後は一時荒廃してしまったそうですが、11代目が再整備し、妹の手で2004年に一般公開されたそうです。割と最近ですね。
私が訪れたのは冬なので、画像の見栄えはあまり良くないですが、暖かい季節は素敵な花が咲くんでしょうね。
#Throwback #Video #SecretGarden #BlemheimPalace#UnitedKingdom
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠🌈 (@notfspurejam) 2021年6月26日
15:25, 05/01/2019 pic.twitter.com/kxOAg94ca3
15:30
そして"The Temple of Health"。
これは1789年に4代目公爵がジョージ3世が病気から回復したことを祝って、建築家のジョン・イェンに建築依頼をした神殿。
こんなところでジョージ3世に関わるものと出会えるとは!
庭には3か所神殿があり、もう1箇所 "The Temple of Flora"は見に行く時間がなかったのですが(どこにあるのかわからなかった…)、もう一つの"The Temple of Diana"は近くにありました。
狩猟の女神ダイアナに捧げられたこの神殿は1773年に4代目公爵の主催により、英国の建築家ウィリアム・チェンバーズによって建てられました。"The Temple of Flora"もチェンバーズの設計だそうです。
中央の楕円のメダリオンの中にはダイアナに花を捧げるヒッポリュトス、
両側のメダリオンには、エウリピデスの詩が書かれています。
詩が書いてあるのは4代目公爵の家庭教師だった考古学者ジェイコブ・ブライアントが選んだのではないかとのこと。
"The Temple of Diana"は、"Churchill Memorial Garden"の中にあります。
ブレナム宮殿が生家のチャーチルは、1908年8月11日にこの"The Temple of Diana"の前で妻となるクレメンタインに、雨宿りの最中にプロポーズしたらしい。
ロマンチックだけど、狩猟の女神の前での求婚…
なんだかはじめから狙ってたんじゃないですかね?
この庭には大きなチャーチルの胸像も立っています。
15:40
テラスに戻ってきました。
もう一度、階段の下に降りて宮殿を囲う池「グレートレイク」を眺めました。
下手に小さなボートハウス。
とても静か。聞こえてくるのは、鳥のはばたく音だけ…。
9代目の公爵は静けさを好み、当時はテラスに噴水も作らなかったそうですが、
この場所に立ってみるとその気持ちがよくわかります。
ロンドンやその他の英国の観光地では出会えない静寂。
心の隅々までその静けさが沁み渡っていくような気分です。
しばらくは、ただひたすらこの景色を満足するまで眺めていました。
#Throwback #Video #GreatLake #BlemheimPalace#UnitedKingdom
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠🌈 (@notfspurejam) 2021年6月26日
15:51, 05/01/2019 pic.twitter.com/K8XEzjeBmw
16:00
宮殿の正面、グレート・コートに戻ってきました。
馬小屋の前に看板が出ていたので、中の様子を覗いてみると、
お子様向けに王子様&お姫様になって写真撮影出来るスペースになっていました。
16:10
最後に宮殿の北側にある記念碑 "The Column of Victory" まで歩いてみることにしました。初代公爵の死後、夫人のサラが夫を称えるために英国の建築家ロジャー・モリスとハーバート卿(どのハーバート卿なのか不明…)に依頼し、公爵の死後9年後の1730年に完成しています。
向かって左側は先ほど見たグレート・レイク。右側はクイーン・プール。
やはり静かな湖面が心を落ち着かせてくれます。
しばらく歩いてから振り返ると、記念碑が高い丘の上に立っていることがわかります。
16:20
柱のてっぺんの像が見えてきました。
像はもちろん初代公爵がモデルですが、ローマの将軍の格好で、足元には鷹、
手には勝利の翼を持っています。
16:25
そして、やっと足元まで到着!
高さ41メートル(134フィート)なので、ここまでくると、逆にてっぺんの像の全体が見えにくくなってしまいました。
柱の四角い土台には4面それぞれに碑文が刻まれていて、1面には初代公爵の戦いの詳細を記した墓碑銘、残りは公爵の子孫に領地を与える議会法の抜粋が刻まれています。
でも、歩き疲れてとても隅々に目を凝らす気力が残っていない…。
ここまで歩いてくるのは大変だった…。時間はそれほど経ってないけど、
坂道だったせいでしょうか。
歩いているうちにだいぶ暗くなってきたので、羊の姿を眺めながら、元来た道を戻ります。
記念碑の周辺は、羊が逃げないように柵で囲われています。
16:45
宮殿に戻りました。すっかり暗くなってイルミーネーションも点灯。
16:50
最後に残された時間でギフトショップを見ていきました。
ギフトショップにはペンハリガンの香水コーナーもありました。
そこで思い出した香水「ブレナム・ブーケ」の存在。
「『ブレナム ブーケ』は、ウィストン・チャーチルの生家でもあるブレナム宮殿の所有者であったマールバラ公ジョン・チャーチルのために1902年に作られた香水。ユニセックスで使う人も多いとか。」ほうー。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠🌈 (@notfspurejam) 2019年1月4日
ペンハリガン|なおも進歩する王室御用達の香り https://t.co/Y6JsR2FdMm
探したら、このコーナーにちゃんと「ブレナム・ブーケ」がありました!
正確にはブレナム宮殿をイメージして1902年に作られた香水なので、9代目公爵あたりが依頼したのかもしれないですね。テラスの件といい、9代目は宮殿のイメージ作りに奮闘してたんですねー。
チャーチルもこの香水を愛用していたそうです。
試してみると、確かに男性向けっぽい爽やかなシトラスの香り。
男性のコロンのようなキツいものではなく、スッキリとした匂いです。
ペンハリガンのお店はロンドンにもありますが、せっかくブレナム宮殿に来た記念に、
このギフトショップで購入することにしました!
お値段は£75。いつも安い香水ばっかり買ってるからかなり悩みましたが(笑)、
これほど自分へのお土産にふさわしいものはありませんからね!!
17:30
香水と絵葉書を買って、やっと宮殿を出ました。
めちゃくちゃ時間掛かってしまった…。
来た時に入ったメインエントランスに向かいましたが、門が閉まっていて…
帰りに行きでくぐった門に向かったらもう閉まってて、偶然居合わせた売店の女の子に別の門から別のバス停に案内してもらった。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2019年1月5日
売店の女の子と一緒に宮殿の正面入口まで戻って、街のあるウッドストック側の門に連れて行ってもらい、係の男性が来て、門を開けてくれました。
そこからウッドストックの街の中のバス停に案内してもらったのですが、私は助けてもらったのが嬉しくて、(珍しく)英語の勉強をしにロンドンで滞在してて…とか自分の話をペラペラ話してたのですが、バスに乗った後はそっけなく彼女が降りて行ってしまったので、親切心に喜んで盛り上がったちょっと恥ずかしかったです。
だいたい暗くなったんだから早く帰れよお前!って話ですよね。
売店の子のおかげで無事オックスフォードまでたどり着き、
ロンドン行きの列車に乗ります。
18:55
オックスフォード駅を出発。
19:55
パディントン駅到着。
帰りは暗いから車窓の景色も楽しめずつまらん!
帰りにパディントンの駅にあるパディントンベアのグッズ売り場をちょっと覗きました。
遅かったし、疲れてたのでゆっくり見られなかったけれど、ちょっと癒された。
そんなわけで、たっぷりブレナム宮殿を堪能した一日でした。
宮殿の中を見学する経験は何度かありましたが、ただ見学するだけじゃなくてテーマに沿った装飾がされた宮殿を巡るのは初めてだったので本当に楽しかったです。
しかもシンデレラのような童話がテーマだと、名所に来ているというより、絵本の中に入り込むような気分で、忘れられない体験になりました。
そして、テラスから望む湖の静けさ。
あの心が澄んでいくような感覚も、時間が経った今でも鮮明に思い出せます。
思い出深い訪問場所の一つになりました。
ブレナム宮殿に行ってきたよ!
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2019年1月5日
アン女王がジョン・チャーチルとサラ・ジェニングスに贈った宮殿!
そして「スペクター」のロケ地でもある。
明日までシンデレラをテーマにしたクリスマス装飾をしてて、物凄い楽しかった!帰る時間がすっかり延びてしまったわ。 pic.twitter.com/2M7FLhib88
次回は、港町ウィスタブルを歩きます。