【2019年1月26日/29日】ロンドンの映画館に「ドラゴンボール超ブロリー」を見に行ったら…
映画が好きで月3・4回ペースで映画館に通っていた私でも、日本にいる時に映画館で人と知り合って友達になるという機会はまずありませんが、ロンドンの映画館は面白い出会いをもたらしてくれました。
というのも…
留学するにあたって、日本を離れることになんの未練もなかった私。ただ、唯一心残りだったのは「ドラゴンボールの新作映画が見られない!」ということでした。
女がいい年こいてドラゴンボール好きというのはちょっと恥ずかしいかもしれませんが、漫画やアニメを毎週見ていたリアタイ世代ですし、定期的に再ブームが来てAmazonプライムでアニメを見返したり、空いた時間はスマホのソーシャルゲームで遊んだり、カプセルトイもやってみたりして今でも大好きです。(ちなみにサイヤ人編/ナメック星編に特に夢中になった世代で、ベジータが一番好き。)
日本では2018年12月14日に公開された劇場版「ドラゴンボール超ブロリー(以下、DB超ブロリー)」。公開されるというニュースは、確かサンディエゴ・コミコンのあった夏に発表になったと思うので、その頃にはすでにビザも取っており、どうあがいても日本で見ることは出来ないことは明らかでした。仕方ないので、日本に帰国したらBDを買おうと諦めていたのです。
が!レスタースクエアにある日本の食料品等が購入できるショップJapan Centreのレジカウンターに「DB超ブロリー」のチラシが置いてあるのを発見!
英国では2019年1月23日公開!やったー!劇場で見られる!
オフィシャルサイト(現在は閉鎖済)で確認したら、オリジナル音声英語字幕版・英語吹替版ともに、ロンドンのあちこちで上映しているようでした!
ちなみに日本のアニメ人気が高いフランスほどでは無いかもしれませんが、ロンドンのお店でもフィギュアやコミックス、小物等のドラゴンボールグッズはもちろん売ってます。
(ショーケースにもお高めのフィギュアが置いてあるけど、画像は撮ってなかったのか見つからず。)
そんなわけで、めでたくロンドンの映画館で「DB超ブロリー」を見ることが出来たのです!
予約したのは、学校から近いイズリントンの劇場。(日本の劇場のようにネットで事前予約出来ます。)
ワクワクしながら行ってみたら満席! 外国で日本のアニメをオリジナル音声で見るのは初めてだし新鮮でした。バトルシーンの派手さにお腹イッパイ! 劇場は前のめりで見てる観客があちこちにいました。特に導入の見せ方が丁寧で鳥肌立った!かと思うと「DB超」らしいコミカルなノリもあったり。(すぐに「仙豆持ってきてるか?」と聞きがちなところとか、ブルマとフリーザがドラゴンボールで叶えたい願いにもクスクス笑いがw)終映後には拍手も起こりました。楽しかったー!
結局、想像以上に興奮したので我慢できず、次の週にもう一度見に行くことに。2週間後じゃもう終わってるかもしれないしね…。
今度はチラシを貰ったJapan Centreのあるレスタースクエアで鑑賞。こちらの映画館は規模は小さめだけど、ラグジュアリーな2人掛けの椅子を使っている劇場。にもかかわらず、料金は他の劇場よりも安めだったのです。(英国では劇場によって料金設定が違います。)
幸いこの劇場は混んでおらず、私は一人で見にいったので、2人掛けシートを一人で使用。
(実は、当時知り合った、日本に興味のある男の子を映画に誘ったら、まだ全然親しくもないのに「見てる間に手ェ握ってもいい?」と訊かれて「え…全然そういう映画じゃないんだけど…」と返した、という裏話もあるのですが、それはまた別の話…苦笑)
隣のシートは黒人の男の子が一人で座っていたのですが、途中で友人らしき子が入場してきて、ふたりで使っていました。
1回目よりずっと落ち着いて楽しんだ後、身支度をしていると、その途中入場してきた例の隣の男の子が「日本から来たの?」と話しかけてきました。
「女の子でドラゴンボール見てるなんて珍しいねー!」
そのかなり気さくな男の子はアンソニーといって、日本で住んでいた事があるそう。一緒に来ていた親友のエイドの方はアンソニーよりも落ち着いた雰囲気の子。日本に住んだことはなく日本語も話さないけれど、アンソニーと同じく映画好きでマーベルも好きだとか。
映画館を出た後、意気投合した彼らとLINEを交換して別れようとしたら、せっかくだからと夕食に誘われました。
アンソニーはとにかく誰彼問わず話しかける子で、友達だという映画館近くの韓国料理のレストランのスタッフとしばらく話し込んだ後、別の日本食レストランでようやく席を見つけたら、今度は隣に座ってる韓国人のカップルの食べてるものに興味深々で「どこから来たの? それうまい?」と質問攻め。ウェイトレスの日本人の女の子にも「オレ沖縄の島に行ったことあるんだ。君、行ったことある? これ写真なんだけど!」とデタラメな日本語でしつこく話しかけて、困らせていました(笑)。
私がからし付き牛丼を注文することに決めたら「Karashiって何?Kareshi?ボーイフレンド?」と訊いてくるので「マスタードのことだよ」と説明したにもかかわらず、メニューを見るたびに毎回「カレシ!カレシ!」と言い張って聞かず…困った子です(笑)。
よくよく話すと、アンソニーは関西で英語教師をしていた頃知り合った日本人の彼女の影響で日本語を覚えたそうで、今はもう別れてしまったらしい。彼とエイドは敬虔なクリスチャンで、親友と言うよりGod-brotherの間柄。毎週日曜の礼拝は欠かさないそうです。
だから、賑やかなアンソニーも食事の前にはエイドと一緒にクリスチャンらしく静かにお祈りをします。私もその輪に加わって、静かに目を閉じました。食事前のお祈りなんて初体験だ…。
その夜はアンソニーの日本時代の写真を見せてもらったり、エイドと映画の感想や「アベンジャーズ/エンドゲーム」の話をして楽しく食事した後、別れました。
(超節約生活を送っていた私は、別会計かと思っていたのに割り勘にされて、予定より多く払うはめになったためにあからさまに凹んでしまった…。今思うと2人に悪いことしました…)
彼らとはその後も連絡は取り合ってたのですが、ある日エイドから「教会に遊びにこない?」とWhatsappのメッセージが。
「おっと、これは入会の誘いなのではないか…?」
そう思ったのは、一緒に食事をした夜、アンソニーから「元カノが彼の誘いでキリスト教徒に改宗した」と聞いていたのです。それはちょっと困る…。一応、仏教徒だし…。
なんて返事すればいいかなあ、と現地の知り合いに相談したら「それは行かない方が良さそうだね。ブッディストだから、って言って断ればいいんじゃない?」とのお答えが。
結局、どうするか悩んでいるうちに返事をしそびれてしまい、教会に行くことはありませんでした。すぐに断れば良かったのかもしれませんが、断ることですっかり縁が切れてしまうのも悲しいなと、どこかで思っていたんでしょうね、私。二人ともいい子だったし、こんな映画を通じた、しかもドラゴンボールを通じた出会いなんて、珍しいことですから。
日本に帰ってからも時々、アンソニーが動画を送ってくれたりします。LINEで届いた彼の歌う「上を向いて歩こう」は、やっぱりどこかgibberishな日本語で、あの日を思い出してつい笑顔になってしまうのでした。
(2020-01-30 23:30投稿)