ミウモのロンドン留学体験記

2018年9月からUK渡航。チャレンジに遅すぎるなんてことはない!がモットーの女30代による留学準備&体験記

ミランダとフリーバッグ〜愛すべき英国女子たち

英語の勉強には海外ドラマを見るのが一番です!

というアドバイスはネット上でもよく見かけますよね。

でもオススメされるのはアメリカのシットコムばかり。

「わたしゃイギリスのコメディが見たいんじゃー!」

と思うことはありませんか?

そんなあなたにおすすめなのが"Miranda"です。

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"Miranda"は2009年からBBCで放送されたシットコムで、ドラマ「コール・ザ・ミッドワイフ」や映画「SPY/スパイ」で知られるコメディアン、ミランダ・ハートが主演しています。

身長が185cmと長身のミランダは男性に見間違えられたり、子供っぽい言動で呆れられたり、恥ずかしいドジを踏んでばかりで結婚の予定もなし。親友のティーヴィーとジョーク&ギフトショップを営んではいるけれど、母のペニーミランダにもっと良い仕事を見つけて結婚してもらうことだけを願っています。(その熱心さは路上で「娘をタダで差し上げます!」と拡声器で叩き売りするほど!)

そんなミランダは隣のレストランでシェフとして働き始めた学生時代の友人ギャリーと再会します。自然に接してくれる「友達以上恋人未満」なギャリーとの距離を縮めようと頑張るミランダですが、毎回ドジったり邪魔されたりで山あり谷あり…

もともと英国のコメディが好きなので"Miranda"の存在自体は知っていましたが、留学中に番組配信アプリ(BBCiPlayer)で全話をダウンロードして手軽に見ることが出来、学校に向かう地下鉄の中で毎日見るのが1日の楽しみになっていました。

クラブでスカートがずり落ちたのに気づかず下着丸見えでダンスしたり、開かないドアに突進して豪快にコケたり、ミランダのドジっぷりはシンプルに笑えます。でもそれは、彼女がドジだから笑えるというより、自分と照らし合わせて、私もあんな失敗やこんな失敗をしたけど笑って過ごしていいのかな?と励まされるんです。留学中なんてみっともないことや失敗の連続ですからね… ミランダが画面を通してこちらに話しかけてくれるのも、昔からの友達のようで親しみが湧きます。

それに、彼女の友達や家族のキャッチフレーズも、見ていくうちに待ち遠しくなってくるんです。

例えばミランダの古い友人のティリーは、会話の途中で携帯にメールが届くと"Bear with.(待ってて)"と皆を待たせて返信を打ちます。"Bear with... Bear with..." その間は誰もしゃべれない!(笑) …ちなみに彼女はミランダのことを昔のあだ名で「クイーン・コング」と呼んでいます。

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ミランダ・ハート本人と同じく)実は上流階級出身のミランダの母ペニーの口癖は、"what I call (いわゆる)"。あまり使わない言葉を際立たせるために使うフレーズですが、ペニーは一般的な言葉にも多様するので、(「友達と、いわゆるお茶、をしてくるわ!」)ミランダはうんざり気味に「いわゆる〜なんて言う必要ないから!」とたしなめます。そして母は去り際に"Such fun!(楽しいわ!)"と言い残します。Such fun!はイギリスっぽい言い回しですね。

 

"Miranda"に関しては、語学学校で出会った韓国人のクラスメイトも大好きで、二人でミランダの話で盛り上がったものです。

その彼女に、他にお気に入りの番組があるか訊かれた私は「フリーバック」をオススメしました。


Fleabag Being Fleabag for 7 Minutes Straight

日本でもAmazonプライムで配信され、英国アカデミー賞のみならず米国のエミー賞を受賞するなど、すでに世界的に知られているコメディなのでご存知の方も多いはず。

当時、第2シリーズが終わったばかりだったので、すっかり心奪われていました。製作・脚本・主演を兼ねるのは、サスペンス・ドラマ「キリング・イヴ」のクリエイターとしても知られるフィービー・ウォーラー=ブリッジ。この作品ですっかり時の人となりました。


Fleabag funny best bits - series two

フリーバッグ=汚いヤツというタイトル通り、主人公は性に対してあけすけで(彼女のPCの検索履歴はここには書けない卑猥な単語でいっぱいで彼氏もドン引き)、常に「男から体を求められる」ことを求め(彼氏が出て行ったと見るや「寝る男探さなきゃ…」)、経済的余裕がないため平気で人のものをくすねて売ろうとしたり、破滅的でどうしようもない女に見えますが、実は深い後悔と悲しみを抱えています。率直な彼女に視聴者はどんどん惹かれていき、彼女が仕掛ける悪戯や皮肉を痛快に感じ、ついには家族にも信用されず絶望感を抱えた彼女に訪れるささやかな救いに、視聴者は心から安堵するのです。

かなりシリアスな物語である一方で、女性ならわかるー!と共感できるセリフやシチュエーションもたくさんあって、ニヤニヤせずにはいられません。

(私は第1シリーズの第2話のオープニングが特に好き!爆笑しました。)

 

 

 

実は、"Miranda"と「フリーバック」は比較されることが多かったりします

まず、どちらも観客に語りかけるという共通点。ミランダの母風に言うと、いわゆる…「第四の壁を破る」描写です。直接観客に語りかけて、彼女たちの本音を明かしてくれます。そこにいる人たちには聞こえない…とても聞かせられない心の声を共有できるなんて楽しいですよね。

そしてawkward…気まずい場面の数々ミランダもフリーバッグも公の場でおならをししちゃったり、セーターを脱ごうとしたらアンダーウェアまで脱げてしまいブラジャー一枚の姿になって周りを誤解/困惑させたりします。そのせいで仕事を失ったり融資を断られたり、あまりにおっちょこちょいなところも彼女たちの可愛いところ。男性に間違えられることまで共通しています。

そういえば、親友と一緒にお店(フリーバッグはカフェ)を経営しているという点も同じですね。しかも経営危機が訪れたりする。

そしてどちらも独身女性で愛を求めてるところも。

同じ30代女性として、共感したり励まされたり、笑ったり頭を抱えたり、一緒に泣いたり喜んだり。ミランダとフリーバッグは私にとって、これからもすぐ近くにいてほしい、最高に愉快で、危険で、愛すべき女性たちです。

 

ところで「フリーバッグ」は際どくて辛辣で、シットコムとして明るく楽しませてくれる"Miranda"とは性質の違うものではあるので、クラスメイトに薦めた後、ちょっと刺激が強すぎるかな…と心配になっていました。

そして後日彼女から「見たよ!」と報告が。

しかし反応は、物語の内容ではなく

ミランダより会話のスピードが速くてついていけなかった!よく理解できたね!?」

と言う感想。そっちか!(笑)

「だって字幕ついてるよ?」

「字幕ついてても速いよー!」

そうかー、みんなあんまり繰り返し同じドラマを見たりしないのかな?

でも楽しんでくれたみたいで安心しました。

"Miranda"は現在のところ日本で配信はされていませんが、もし英国で留学や旅行をした時に見かけることがあれば是非試してみてくださいね。

 

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フリーバッグ 第1話