【2018年11月1日】NT Live 「アレルヤ!」”Allelujah!”鑑賞
[Thursday]
登校前。家の最寄り駅に置かれた掲示板によると、ストで水曜午後から木曜夕方までピカデリーラインは動いていない様子。
学校までの地下鉄内では無料新聞のMETROを読む。
昨日のMETROでトム・ライリーがIN9の’The 12 Days of Christine’を振り返って「最高の30分」と評していてニコニコした。https://t.co/sv8XK9LuQp pic.twitter.com/MgoU1yenaG
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月1日
ハロウィーン特番以降、ますます"Inside No. 9"「9から始まる奇妙な物語」に対する愛情が深まってたから、こんな記事をみると嬉しくなっちゃう。
↓トム・ライリーが出演した’The 12 Days of Christine’はこんな話です。
Amazon.co.jp: 9から始まる奇妙な物語(字幕版)を観る | Prime Video
この日の授業
テキストのカフェインに関する記事を読んで、新しい単語に注目し、設問に答える。
記事に登場する強調・結果の"so"についても勉強。
15:50
itsuで遅い昼食を取りながら、この日の授業の復習。
この日は19時から学校近くの映画館で劇場中継を見る予定だったので、家にはまっすぐ帰らず、しばらく周辺で時間を潰さなければなりません。
この劇場中継"National Theatre Live"は日本でも上映されている劇場中継シリーズなので、イギリスの演劇やエンタメ好きならすでに知られていると思いますが、主に英国のナショナル・シアターで上演・製作された演目を、英国全土で見られるよう、決まった日に各地で映画館上映されています。人気の演目は前述の通り、日本を含む全世界でも上映されているのです。
そして英国で上映される際はほとんどの場合「生中継」なので、リアルタイムで劇場の雰囲気を味わえますし、通常の何十、何百倍もの観客がいるわけですから、演じる方も見ている方も独特の緊張感があります。
今回上映されるのは高齢者病棟を舞台にした、アラン・ベネット作の「アレルヤ!」。
半月後にアラン・ベネットの「英国万歳!」を舞台で見る予定だったので、他のベネット作品を見られる良い機会でした。
17:15
NTLive前にWaterstonesに行って時間潰してた。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月2日
①ロンドンで売ってるジーヴスシリーズ。
②平積みされてるオペレーションゲーム。
③ペンギンブックスのクラシックシリーズ。表紙がどれも素敵過ぎる。 pic.twitter.com/ECCZaNGdBD
本をたくさん買ってしまうと、後々持ち帰るのが大変なので必要以上に買えませんが、本屋で見ているだけでも心躍って幸せな気分になります。
ここのWaterstonesには椅子があったのでそこに座り「アレルヤ!」の戯曲をさらってみることにしました。立ち読みならぬ、座り読み。
もちろんほんの1・2時間では読み終わるわけではないのですが。
19:00
上映する劇場へ。
日本のNT Liveではパンフレットが購入出来ますが、本場英国ではキャスト表が配られます。以前サウス・ケンジントンで「コリオレイナス」を見たときもペラ1のキャスト表が配られてました。
私が舞台で見に行く「英国万歳!」も、NT Liveで(2018年)11月20日に全国中継されるので掲載されています。
#NTlive で”Allelujah!”を見てきた。閉鎖の危機にある高齢者病棟が舞台。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月1日
戯曲を本屋で'座り読み'してから観に行ったけど、もっと予習しないと字幕なしは辛かったな。でもお年寄りたちのコーラスがとても可愛かった。デボラ・フィンドレーがナースを演じてて、何か起こりそうな予感ありありでしたw pic.twitter.com/WuStbv8L2V
語学力の問題以前に、英国の病院を訪れたことのない私にとって「アレルヤ!」で取り上げられている英国の医療問題は理解が難しく、その時点で「壁」を感じてしまう。なので、正直字幕なしはキツかった。(歴史時代物の「英国万歳!」の方が予習しやすい。)
「アレルヤ!」は閉鎖の危機にあるヨークシャーの病院が舞台で、サッチャー政権以後、炭鉱夫の父とは別の道を選ばざるをえなかった息子(サミュエル・バーネット)が政府の役人になって戻ってきて、父が入院するこの小規模な地方病院の閉鎖を進めようとし、一方、病院の理事長はこれに対抗し、市民の共感を得るためにドキュメンタリー番組のクルーを招き入れる。人の良さそうな移民の医師(サシャ・ドゥワン)はといえば、強制退去の危機に見舞われる。(ちなみにサミュエルとサシャはベネット作品の「ヒストリー・ボーイズ」以来の共演らしい。)
しかし、一番衝撃的なのは、第一幕終わりでデボラ・フィンドレーが観客に見せる行動だったりします。
20:35
病院と言う場所は、本来できれば避けて通りたい所ではあるけれど、人間である以上、いつかは多かれ少なかれお世話になる場所なわけで、病院の民営化・中央集権化、ベッド数の維持といった問題は日本においても無視出来ない。何しろ、これを書いている現在(2020年12月)、一部の国々を除いた世界各地で新型コロナウィルスの流行が未だ収束していない状況だから、今後ますます問題は浮き彫りになっていくでしょうね。まさに、世界の問題の中心。「アレルヤ!」で描かれていた「コロナ以前」から良くも悪くも変わっていくでしょう。今となってはブレクジットの話題一色だったあの頃が懐かしい…。
とはいえ、作者のアラン・ベネットによると「アレルヤ!」はそこまでリアリズムを徹底していたわけではないようで、本来病院になくてはならない医療設備やモニターといった機械がほとんど出てきません。そしてコンサートに向けて歌い踊る患者たちの様子はとても楽しげで、まるで森で踊る妖精のように可愛いらしく、現実味がない。ちょっと寓話的にすら感じる。その寓話と問題山積みな現実のバランスがこの舞台の面白さなのかもしれないです。
というわけで、次回のNT Liveは「英国万歳!」になります。生の舞台を見に行って、復習のための再鑑賞だ。
先日のQ&Aの記事でマークもAllelujah!を観に行って、車降りたら移民の医者役で出てるサシャ・ドゥワン(「六つのサッチャー」のAjay)がセリフ言いながら行ったり来たりしてて、上演前の気持ちがよくわかるから声をかけなかったって言ってたね。
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠 (@notfspurejam) 2018年11月2日
参考:
Alan Bennett introduces Allelujah! | The Bridge Theatre
Alan Bennett play Allelujah! takes scalpel to modern NHS - BBC News
(2020-12-02 08:44投稿)